【今までの宇都宮の七水シリーズ→(序)
(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7)Part1(7)Part2】
宇都宮に江戸時代から伝わるという「七水」
「亀井の水」「明神の井」「天女水」
「滝の井」「東石町の井」「池の井」「馬場の井」
やっと・・やっと、7つそろったぞ!
出でよシェンロン!!
と思いきや・・・
そこはまだゴールではなかったのです。
この宇都宮市にある酒造「虎屋本店」さんが出している
日本酒「虹の井」
なんと宇都宮七水の1つだというのです。
あれ?あれ?だってもう7つ見つけたよ??
これ入れたら八水になっちゃうよ?
ということで、調査活動はふりだしに・・
「虎屋本店」さんのホームページを見てみると、
「虎屋の歴史」のページには
創業は天明八年(1788年)近江の国出身の初代目が、
当時宇都宮の七つの名水の内の一つといわれた
『虹の井』という井戸のあった現在地に酒造業を興した。
と書かれていました。
虎屋本店さんは、「菊」をはじめ、
「虹の井」のほかに「七水」という銘柄も出しているのです。
なんと!!
次に七水関連の文献をかたっぱしから調査。
すると、何冊かの本には
「池の井」が省かれ、
代わりに「虹の井」(池上町虎屋の井)という記述があるものがありました。
なんとなく謎が解けてきました。
つまりはこうです。
【ひばらさんの仮説】
七水と呼ばれていたのは当初(1)~(7)の
池の井、馬場の井、東石町の井、滝の井、天女水、亀井の水、明神の井
だったが、池の井が最初に埋められてしまった。
なので、“新七水”として(2)~(8)の
馬場の井、東石町の井、滝の井、天女水、亀井の水、明神の井、虹の井
としたのではないか?
この件を調べていくうちに、
文献には(9)~(12)のようなものも、七水に加えたことがある
ということも補足で書かれてありました。
なので、七水は無くなっては他の場所が足されたりしていくという
これはまさに、メンバーが加入・脱退を繰り返していく
“モーニング娘。”状態
だったのではないか、という仮説です。
(まあ、7つ以上には増えませんが・・)
ということで、向かった先は虎屋本店さん。
大通りとシンボルロードの交差点、
ホテル・ザ・セントレ宇都宮の釜川沿いに少し入ったところの、
ビルの隙間にあるのが「虎屋本店」さんです。
本当に街のど真ん中!こんなところに酒蔵があったとは・・(°д°;)
看板も出ておらず、門も閉ざされていたので、
ここが酒蔵さんだとは気づきませんでした。
そして、この中に井戸はあるのでしょうか・・・?
この日はお休みで分からず。
なので、直接アタック!
オリオンスクエアで行われた「ささらガーデン」にやってきてみました。
栃木県内の酒蔵さんが一同に集まり、
各蔵の日本酒をどれでも1杯100円で試飲できる
毎年恒例のイベントです。
ここで虎屋本店さんに直接聞こう!
まずは、試飲試飲♪
う~んめ~な~
おおっと!Σ(~∀~||;)
忘れてた、今回のミッション
ということで、虎屋本店の方にお話を聞くことができました。
「虹の井」と呼ばれる井戸は、現在も敷地内に現存!!
とのことでした。
ですが、蔵内は一般公開していないということで、
残念ながら見ることはできないということでした。
あら残念(´・ω・`)
でも、お酒は七水の「虹の井」を
仕込み水として使っているということが分かりました。
○虎屋本店(虹の井)
http://www.toratora.co.jp/
栃木県宇都宮市本町4-12
ということで、
やっとやっと!!!
シリーズ完結であります。(;´▽`A“
いや~長くなってしまいましたこのシリーズ。
すっかり少年は成人になり大人になってしまいました(←だからハリポタか!て)
改めてここで、参考文献と紹介いたします。
○宇都宮誌(田代善吉・著 下野史談会 1925)
○栃木縣史 第11巻 史蹟名勝編(田代善吉・著 臨川書店 1972)
○下野の歴史散歩(徳田浩淳・著 国書刊行会 1983)
○ふるさとの思い出 写真集 明治大正昭和 宇都宮(徳田浩淳・著 1979)
○下野伝説集 追分の宿(小林友雄・著 月刊さつき研究社 1976)
○明治の宇都宮 1宇都宮市案内(荒川清次郎・著 国書刊行会 1982)
○宇都宮郷土史(再編復刻版)(徳田浩淳・著 ヨークベニマル 1996)
○宇都宮市六十周年誌(宇都宮市役所 1960)
○宇都宮の歴史 増補新版(徳田浩淳・著 落合書店 1979)
○望郷譜 江尻九穂作(宇都宮38景)(篠原俊雄・著 教育出版社 1985)
○宇都宮カメラ風土記(渋谷行雄 宇都宮よみうり連載 1985)
○郷愁の宇都宮(渋谷行雄 宇都宮よみうり連載 1987)
○あの街この街 第14号(編集工房随想舎 1988)
○宇都宮の旧跡(宇都宮市教育委員会 1994)
○うつのみやの歴史再発見(塙静夫 随想舎 1994)
○名城 宇都宮城-しろとまちの移り変わり-(栃木県立博物館 2006)
○宇都宮城物語(福田三男・著 下野新聞社 2007)
○うつのみや歴史探訪(塙静夫 随想舎 2008)
○宇都宮の歴史シリーズ(poolさんの「栃木を楽しむ!!」http://ameblo.jp/pool/より)
○幕末宇都宮城下復元図(宇都宮市市史編さん室)
○宇都宮市真景図(明治39年)
○宇都宮市街全図(明治40年)
スペシャルサンクス 会社のSさん、Aさん、鏡池堂のご主人、桂林寺さま、虎屋本店の方、
玉泉堂のご主人、宇都宮城ものしり館のおじさん、
県立図書館、宇都宮市立図書館、県立文書館のレファレンスの方、
poolさん、マニアック栃木探訪部のピグ会の方々
and
最後まで飽きずにこのシリーズを読んで頂いた、そこのあなた!
この記事を読んで「ここにあったよ」とか「これは違うよ」とか出てきたり、
新たな探訪の中で、まだよく分かっていない場所(東石町の井)とか、
発見できるかもしれません。
なので、「宇都宮七水」に関する情報、ひきつづきお待ちしております。
長々と本当にありがとうございました!m(_ _ )m
“http://ameblo.jp/hibarasan/image-10949857490-11342763739.html”>
「謎の旧跡-宇都宮の七水を探して」(完)
ブログは続きます(笑)