宇都宮市(名所・旧跡・社寺仏閣)

第552回 百目鬼はどこへ の巻(後)

【鬼探しの旅節分前編はコチラ】


~前回までのあらすじ~

ひばらさんの栃木探訪-ひばらさんの栃木探訪 百目鬼

この鬼の爪(牙?)の実物が見たい

↑ざっくりすぎ




さしあたり、百目鬼(どうめき)と聞いて
心当たりのある場所に行ってみることにしました。

ひばらさんの栃木探訪-ひばらさんの栃木探訪 百目鬼通り
それがこちら。

宇都宮市の栃木県庁近く、
県庁前通りから1本南にある細~い通り。


ひばらさんの栃木探訪-ひばらさんの栃木探訪 百目鬼通り


その名も「百目鬼通り」


この周辺の住所は塙田ですが、通りに「百目鬼」という地名が残っています。

ワタクシの記憶が正しければ、
確か夏にやる天王祭にも「百目鬼」という自治体の御神輿が出ていたはず…。
(参照:第445回 宇都宮の天王祭! の巻


【12.2.25追記】
昨年撮影した天王祭の写真を探したら、見つかりました。

ひばらさんの栃木探訪-ひばらさんの栃木探訪 百目鬼

↑塙田百目鬼町自治会さんのハッピ。かっこいい!






とりあえず、この「百目鬼通り」を

足跡足跡足跡足跡足跡足跡  ひばらさんの栃木探訪-ブラヒバラ



人通りの少ない細い通りですが、
歩いてみるとけっこう飲食店が多い。(飲み屋が多いけど)

そういえば昔、市役所がこっちにあった頃は
ここら辺一帯が飲み屋街で栄えていたとか・・聞いたなぁ。


ひばらさんの栃木探訪-ひばらさんの栃木探訪 百目鬼通り

こんなノボリを発見。

「温泉とらふぐ」


ふぐ屋の「割烹 吉本」さん。


ひばらさんの栃木探訪-ひばらさんの栃木探訪 百目鬼通り


「温泉とらふぐ」とは、那珂川町で養殖しているフグふぐですよね。
最近各メディアでもよく目にするようになりました。
(参照:第298回 なかっぴー&こなっぴーを尋ねて の巻(後)


公式サイトはコチラ
http://ganso-onsentorahugu.com/



宇都宮でも食べられる場所があるんですね~。

一度食べてみたいなぁ。

(というか、フグを食べたことが一度もない…( ̄ー ̄;)



そして、やってみたいな
あのふぐ刺しを箸で「ダ~ッ」ってやつ(夢)
ひばらさんの栃木探訪-ひばらさんの栃木探訪 百目鬼通り


百目鬼通りは、ちょうど二荒山神社の裏手にあります。

二荒山神社の石垣が見えますね。お城みたい。



ひばらさんの栃木探訪-ひばらさんの栃木探訪 百目鬼通り

フランス料理のお店も発見。
「ビストロ パラディ」さん。

パンダ生茶パンダ氏曰く“隠れた名店”だとか。ほほ~。


ひばらさんの栃木探訪-ひばらさんの栃木探訪 百目鬼通り


「若鶏のソテー コーヒーみそキャラメルソース」だって!

何これ、すごく食べてみたいじゃ~ん!!ヘ(゚∀゚*)ノ
近いうちに再訪だなコレ。



ひばらさんの栃木探訪-ひばらさんの栃木探訪 百目鬼通り


百目鬼通り終了。
栃木会館のところに出ました。




結局、この通りを歩いても
鬼関連のような、石碑や看板は一切見つかりませんでした。


ひばらさんの栃木探訪-ひばらさんの栃木探訪 百目鬼通り

唯一あったのは、通りの真ん中辺りのアヤシイ雰囲気の場所。

鍵の壊れた開きっぱなしの扉の祠と慰霊碑、
後ろには、とっても古そうな墓石やら無縁仏の供養塔。

震災後そのままって感じのボロボロさ加減です・・。

祠がアヤシイと思って調べたのですが、
百目鬼っぽいものは見つかりませんでした。
(その後資料も調べてみましたが、この場所の名前自体謎でした。)

関連性はあるんでしょうか?


ひばらさんの栃木探訪-ひばらさんの栃木探訪 百目鬼


「宇都宮の民話」の説明によると、
本願寺は現在の「県庁前通り」にあるようなのですが・・


ひばらさんの栃木探訪-ひばらさんの栃木探訪 百目鬼通り
手がかりとなるであろう「本願寺」さんも、現在は50円パーキングに・・・
その影もありませんでした。


(´・ω・`)





ということで、本願寺さんの住所の場所に現在建っている
写真屋「日光堂」さんに尋ねてみることにしました。

すると、「お寺は数十年前に移転したようです」というお答え。


ひばらさんの栃木探訪-ひばらさんの栃木探訪 百目鬼通り


江戸時代の古地図にも↑たしかに「本願寺」はあるのです。


でも、数十年前か~・・σ(^_^;)




「お寺はどこに移転行しまったんだろう?」




ここからは最後の神(←仏か)だのみ!
県立図書館の調査相談(レファレンス)に調べていただきました。





数日後・・


本願寺の場所をゼンリンの住宅地図では、
1974年版では塙田町の住所で確認できましたが、
1976年版にはなかったとのこと。

また、最新版の電話帳(タウンページ)で本願寺を調べたところ、
塙田町でなく、鶴田の住所で掲載されているとのこと。
(同一のお寺かどうかは未確認)


そして、「鬼の牙」の保管場所については、
直接お寺にお尋ねいただくか、
宇都宮市の文化財を担当する部署にお尋ねいただくのが
良いかと思われます。




との回答をいただくことができました。

(ご協力いただきありがとうございました!(^O^))






ということで、

その同名で宇都宮にあるという鶴田にある本願寺さんに後日伺ってみました。
※ちなみに現在の本願寺さんは、自宅兼事務所なので、写真はありません。


すると、ビンゴ!



昔、塙田にあったという本願寺さんと同一のお寺でした。


か、肝心の“鬼の爪”は?!





(((( ;°Д°))))


「こちらで所蔵しておりますよ」

とのこと。


(わーーーあった~!! 存在していたんですねーー!!)




しかし、

「あれは『秘仏』なので、10年に1回しか開帳しておりません。」

とのこと。


「次回はいつなのですか!?」と尋ねると、


「ちょうど、前回がおととしだったので、次は8年後ですね。



Σ(~∀~||;)







「・・・は、はちねんごですか~・・・」




(T▽T;)




ということで、調査は終了いたしました。


ひばらさんの栃木探訪-ひばらさんの栃木探訪

↑百目鬼とは関係ないですが、
現在の本願寺さんがある鶴田町に訪れた際に見つけた
野口雨情の碑。





まあでも、
「鬼の爪」は現在でも大切に保存されていることが
分かっただけでも大進歩かな?

宇都宮にも鬼節分伝説があったんでございますね。
ひとつ勉強になりました。



8年後か~・・



ひばらさんの栃木探訪-ひばらさんの栃木探訪 百目鬼

見られるかな?鬼の爪・・。







○百目鬼通り
栃木県宇都宮市塙田

参考文献:
○宇都宮の民話(宇都宮市教育委員会 1983)
○しもつけの伝説 第4集「百目鬼ものがたり」(栃木県連合教育会 1980)


【追伸】
この記事前編の方に多数コメントいただいた「益子町の百目鬼川」については、
宇都宮の百目鬼伝説と関連性を含め、追って調査・報告したいと思います。
(`・ω・´)ゞ