【前回からのつづき】
というわけで、今回は
現在佐野市になってしまいましたが、
旧葛生(くずう)町を探訪です。
そもそも、なぜ葛生が“原人”プッシュな町なのかというと
こちら
骨が出たからなのです。
階段を上ると
岩壁にこのような碑(看板)が2つ立っていました。
これは平成3年に建てられた碑
葛生原人は約50万年前、葛生地方にすんでいた化石人類で、
昭和25年、26年にここで骨が発見され、大学のえらい先生が
「む、この骨はネアンデルタール人に似てる!」
って言って、葛生原人と命名されました。うんぬん・・・(要約)
とのこと。
そしてもう1つ、隣りの新しい看板には
平成9~13年に再検討した結果、
あれは原人の骨じゃねえと、うんぬん・・(要約)
( ̄Д ̄;;
まあつまりは、
ここは昔から「葛生原人」の里として有名だったのですが、
最近になって、あれは間違いだったということなんですわ~。
ヽ(;´ω`)ノ
この看板の文章のしめくくりが
私たちに夢を見させてくれた「葛生原人」は幻となってしまったが、
葛生人骨は、日本の人類学や考古学あるいは古生物学の発掘に
大きな刺激を与えてくれた。(中略)
市民・研究者ともども新たに原人化石を探求していきたい。
となっています。
そう、化石はロマンなんですよ・・ロマン・・(遠い目)
きっと、いたんですよ、原人も・・・( ̄▽+ ̄*)・・・え?
その「葛生原人」といわれていた骨を、せっかくなので見にいきました。
場所は「葛生化石館」です。
中に入ると、収蔵品が超豪華。
うわ~、骨がいっぱいだ~!!
しかも運良く、ボランティアの方がひとつひとつ展示品を丁寧に説明してくれました。
え?ここ無料でいいんですかってぐらい楽しませてもらいました。
写真は「寄贈品以外はOKですよ」ということで、バチバチと(^^ゞ
おお、ついに発見!
↑これが葛生原人“といわれた”骨
原人と思われていた骨は、サルやクマのもので、
人骨も混ざっていましたが、それは中世(14~17世紀ごろ)の人
だったということですね。
発見当時の新聞も展示してありました。
骨は探検好きな中学生3人組が発見したんだって~。
そもそも、ここ葛生は“石灰”が採れる土壌で
それがアルカリ性だから、骨が酸化せずに残り
すご~く化石がいっぱい残っている土壌なんだそうな。
なるほど、そりゃあ骨もいっぱい出るわけだ。
近年では「バイソン」の骨も出たらしいです。
その他にも、サイやゾウなど・・
ただ、その地層は掘削(石灰を掘る)しているため、
詳しい調査をしようにも、その地層がもう残ってないんだとか・・
化石の他にも、この化石館には、
石の展示も多くあります。
なかでも、全国各地の石灰岩をここまで並べて展示しているところは
日本でもここぐらいだそうです。
貴重ですね~。
石灰は、日本で唯一輸入に頼らなくてもいい貴重な資源で、
国内で全部まかなえるそうです。
石灰=白いものを想像しますが、
炭酸カルシウムが50%以上ならどれも「石灰岩」なので、
そのほかに入っている成分によって、白だったり黒だったりするらしい。
葛生には、たくさんの鉱山があり現在進行形で掘削中。
「ちなみにあとどれくらい持つんですか?」という質問に
「50年掘ってもなくならない」んだそうです。
でも、その頃には葛生のカタチもだいぶ変わっているだろうに・・?
↑これが葛生で採れる石灰岩
石灰とともに、
「ドロマイト」というセメントの材料や電子部品の原料になる鉱物も
葛生で多く産出しているそうです。
↑これは国歌に出てくる「♪さざれいしの~」の「さざれ石」です。
へ~、さざれ石ってこういう石なんだ~。
最後に、石灰石に多く含まれている「フズリナ」の化石をもらいました。
乾いていると分からないので、
石に水を拭きかけてみると・・
この白く丸くなっているのが「フズリナ」なんですって~。
このフリズナは2億5千万年前にいた海洋生物・・
ってことは、ここは昔々は海の底だったということ。
おお、ロマンロマン。:*:・( ̄∀ ̄)・:*:
つづく
○葛生原人出土跡
栃木県佐野市山菅町河原端
○葛生化石館
http://www.city.sano.lg.jp/kuzuufossil/
栃木県佐野市葛生東1丁目11-15
TEL.0283-86-3332
開館時間/午前9時~午後5時(月曜休館)
無料
○葛生化石館ボランティアのページ
http://wiki.livedoor.jp/kasakiborantia/d/
↑ボランティアのHさんに教えていただいたホームページ。
すごく充実していますね!!