少し前の「タモリ倶楽部」で、
空耳アワーの粗品“手ぬぐい”の在庫がなくなったので、
タモリさん自ら、染工場で手ぬぐいを手作りしているのを見ました。
その制作工程が非常に面白かったので、記憶に残っていたんですよね。
宇都宮市内にある染工場で「手ぬぐい作り体験」ができる講座を発見。
興味本位で参加してまいりました。
場所は宇都宮中心部からもほど近い、田川沿い。
明治38年創業で、宇都宮市内に3つしか残っていない染工場の1つだそうです。
昔ながらの注染(ちゅうせん)という技法で、浴衣や手ぬぐいを作っており、
中でも手ぬぐいを染めているのはここだけだとか。
まず目に飛び込むのが、これ。
白くてなが~い無地の反物が干してありました。
あーこの光景、新聞とか見たことがあるぞ。
色とりどりでキレイ~。
これは手ぬぐいじゃなくて浴衣地だそうです。
中には有名人のブランドゆかたの反物もあるのだとか。
宇都宮で作られているとは知らなかった。
説明を受けながら、体験が始まりました。
そもそも「宮染め」とは・・
江戸時代中期ごろ、宇都宮市内の田川沿いに染め職人が集まって、
はんてんや前掛けを染めるようになったのが始まりといわれているそうです。
宇都宮の染め物なので、“宮染め”
昭和50年代ぐらいまで、水洗いの行程を田川で行っていたそうですが
現在は法律の改定もあり、工場内の水洗い場で地下水でやってるそうです。
まず最初、こちらに干してある生地は最初の行程。
染料がよく染みこむように、浸透剤に付けておき、
生地についた余分な糊や汚れを落とすのだそうです。
白い生地はそのままだと使えないそうです。
風になびく布。
この日はすごくいい天気だったので、乾きも良いでしょう。
でもパリパリに乾きすぎるののNGだそうで、
絶妙な湿気を残したままじゃないとダメらしい。
そこらへんは職人の勘だそうです。
ここ数日続いていた突然の夕立の時とかは、スタッフがあわててこむのだとか。
(あ、「こむ」は栃木弁でしたっけ、「取り込む」ですね。)
この手ぬぐいに使う生地は「岡生地」というらしいです。
手ぬぐい地の中で一番上等な生地を「特岡」と呼ぶそうです。
「真岡市」の岡はこの“岡”だそうです。
昔、木綿の生産が盛んだったなごりが地名に残っているんですね。
その頃の宮染めは真岡木綿を使っていたそうですが、
今は違うものを使っているそうです。
次は型紙の説明。
和紙を何枚も重ね合わせ、柿渋で貼り合わせて作るそうです。
これは「伊勢型紙」で、専門の型紙職人さんの手彫りだそうです。
たまたま見せてくれた柄がマトリョーシカの柄でかわいかった。
(でも体験でつかった柄はまた別のものでした)
これを水に付けておいて軟らかくしておきます。
版の構造は、簡単に言うとプリントゴッコの要領でしょうか。
(プリントゴッコってもう販売終了になったのか…)
でもちょっと違うのが、黒い部分が抜ける…んじゃなくて、
その逆になることです。黒い部分に色が入る。
なぜか?
それは次の行程で分かりました。
こちらが次の行程「型置き(のり付け)」の作業場。
昔ながらの建物で、ここには冷暖房がありませんでした。
くれぐれも熱中症には気をつけてね、と。
その理由はこの“ノリ”。
ノリいっても泥っぽかったですけど。
冷暖房があると、このノリが乾いちゃうのでこの作業はあえて
湿度が保たれた建物で行うそう。職人さんは大変だ。
先ほどノリを型紙がセットしてある枠に流し込んでいきます。
この行程を体験させてもらいました。
簡単にやってるように見えましたが、ノリを均一にのばすのが難しかったです。
やはり職人技!
枠の下には生地を1回ずつ折りたたみ、
ノリ付け→生地をはさみ→ノリ付け→生地をはさみ・・の行程を
反物が終わるまで続きます。
こうやっていくことで、ノリが抜けてる部分(白い部分)に染料を流す枠が
立体的にできあがっていくのですね。
原始的だけど、すごい仕組みだ。
ちなみに染めるのは・・・ブタちゃん柄!
柄の選択の余地はなく、なぜかこの柄をみんなでやりました。
もっと和柄でやるのかと思いきや、なぜブタだったのかは分からない(笑)。
まあカワイイので、皆さんなにも不満はありませんでしたが。
長くなってしまったので、後半につづきます。→後半はコチラ
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