先日行われた、「体感!とちぎの文化財」応援団員の委嘱式
のつづき。
その後に現地交流会という名目で、
団員さん参加によるまち歩きイベントが行われました。
今回はそのイベントレポです。
今回のテーマは「失われた『宇都宮城』の痕跡を探る」。
2018年に放送された「ブラタモリ」宇都宮編よろしく、
宇都宮市街中心部に残る、宇都宮城の痕跡とその周辺の歴史的スポットを、
栃木県文化財課職員の方に解説していただきながら、一緒に巡ってきました。
スタート地点は宇都宮二荒山神社。
巡ったルートはこんな感じです。
ここから城下町だった宇都宮のまちなかを巡り、
宇都宮城址公園まで約1時間半の散策をしました。
いただいた「宇都宮“江戸時代”歩き地図」。
現代の地図と城下地図が重ね合わせてある地図と
幕末に描かれた城下の様子が分かる絵、
旧町名の一覧表などが載っています。
宇都宮の歴史を巡るまち歩きには重宝しそうです。
もう1つ、
「文化財表示板」も紹介してもらいました。
「馬場町」は今も残る地名ですが、
ここは古くから二荒山神社の門前町として開けたところで、流鏑馬を行う「馬場先(ばばさき)」に由来しているそうです。
この案内板には、宇都宮市の各所にあり、
旧町名や場所の解説、
宇都宮城下図などが書かれており、
歴史探訪にはいい目印になります。
というのも、この宇都宮。
旧幕府軍と新政府軍が戦った幕末の戊辰戦争と、
第二次世界大戦の宇都宮空襲、
2度に渡る大火で、まちは焼け野原となり、
歴史的資産がほとんどないそうなのです。
・・スン(´-ω-`)
というわけで、宇都宮のまちは
よりイマジネーションを働かせて
巡らないといけないわけですね。
二荒山神社からバンバ通りを南下し、
オリオン通りの1本手前のMEGAドンキの細い路地に入るとある石碑。
「鏡ヶ池」のあった場所を
案内してもらいました。
昔、この辺一帯は湿地帯だったそうで、
「鏡ヶ池」という大きな池があった
という碑です。
現在は駐輪スペースに紛れて、
すっかり陰をひそめていますが、
宇都宮にはこういう隠れスポットが多いので、
探すとおもしろいですね。
この場所については、
以前「宇都宮の七水」探しの時に、
自分のブログに詳しく書いたことがありました。
気になる方は、こちらの記事↓をご覧ください。
こちらも隠れスポット。
釜川沿いにひっそりとたたずむ「六番地稲荷」。
江戸時代には足軽など、
わりと下級のほうの武士に信仰された
お稲荷様だそうです。
何度か通ったことのある通りでしたが、
こんなところに稲荷神社があるのは知りませんでした。
またそこから
オリオン通りと平行するように歩き、
池上町のほうに移動。
(鏡ヶ池の上部だから“池上”)
昔、十字屋があった通りです。
もっと昔、ここには江戸時代に「広小路」という幅の広い街路があったそうです。
↑地図の赤い部分です。
このエリアは、宇都宮城内に入る入口だった大手門の前に位置します。
江戸時代、宇都宮城は日光社参に訪れる将軍が、
途中、宿泊する場所として使われていたそうで、
広小路は、その将軍が引き連れた大勢の大名・旗本などの行列の城内に入る前の待機所として利用されていた場所らしいです。
今はなにもない場所ですが、
「歴代の徳川家将軍がここを通ったんですよ」と言われると、
「おお〜」と思いますよね。
(イマジネーション働かせ中)
↑現在の地図に通りの名前だけが残っています。
今は細い路地ですが。
オリオン通りに来ました。
ちょっと先に行くと、江戸時代には修道館という
現在でいう学校のような建物があったそうです。
現在は「修道館跡」という文化財表示板が立ってるのみです。
シンボルロードに出てきました。
このあたりが大手門があったそうです。
レディオベリーのほうへ向かっていくと、
もうそこは宇都宮城内。
ここで、ちょっと時代は違いますが、
宇都宮大空襲の戦争遺産も案内していただきました。
枝病院の門柱と記念碑。
場所はレディオベリーのはすむかいです。
宇都宮大空襲で焼け残った玄関の門柱がここに残されているそうです。
宇都宮大空襲といえば、こちらも有名ですね。
「旭町の大いちょう」。
空襲後の大いちょうの写真を見せていただきました。
奥に見えるのは松が峰教会。
江戸時代には、宇都宮城の三の丸と百間堀の境の土塁の上にあった木だそうで、
現在はいちょうの木の周りに、盛り土がされ保存されていますが、もし土を掘ったら
「たぶん宇都宮城の土塁跡が出てくるだろう」ということです。
シンボルロードから、
中央小のほうにやってきました。
ここには江戸時代の名残を残す貴重な道が残っているそうです。
中央小の南側の道。
ちょうどカーブを描いている、この道が三日月堀跡に沿った道とのこと。
この南側(今の中央郵便局あたり)に
宇都宮城へ入る表門へつづく道があったそうですが、城を防衛するのに都合がよく、敵を足止めするのに作られたというこの構造。
その名残が、現在カーブになっている道に残っているということです。
マニアック〜。
つづいてこんな場所も。
なんてことない月極駐車場に案内されました。
ここに、宇都宮城を囲んでいたお掘の名残があるとのこと。
「さてどこでしょう?」
正解はこの「大谷石塀」↑
よく見ると、左にいくにしたがって斜めに埋まっていっているのが
お分かりいただけただろうか。。。
これは土地を開発するのにお掘を埋め立た際、
埋め立てが甘く、地盤沈下で土地が沈んでしまった“残念な”痕跡なのだそう。
本当にブラタモリっぽい!
そんな楽しい散策も終わり、
ゴールの宇都宮城址公園に到着。
宇都宮城の城下町がジオラマで分かる
「宇都宮城ものしり館」や、
貴重な資料のある「清明館」を見学しました。
最後に本丸の土塁の上にある
復元された「清明台櫓」を案内していただき、
現地解散となりました。
歩いたことのある道でしたが、
宇都宮城のいろいろ知らないマニアックポイントをたくさん教えていただいて、充実した散策となりました。
これからも、
「体感‼︎とちぎの文化財」応援団員として
探求に励みたいと思いま〜す。
○宇都宮城址公園
栃木県宇都宮市本丸町1-15
○栃木県文化財課 公式Facebookページ
「体感!!とちぎの文化財~見て 聞いて 触れて 香って おまけに食べて・・・
あなたの「いいね!」はなんですか?~」
↑フェイスブックをお持ちの方はぜひ、「いいね👍」をお願いします!
栃木県の「人気ブログランキング」に参加中です